割印・契印は契約書の作成時に必要になる印鑑。
これらの契約時に使用する印鑑は、普段使う機会が少なく 役割も非常に似ています。
そのため割印と契印の役割や用途について、違いがわかるという方が少ないというのが現状です。会社で契約書を作成するときに、よくわからないまま割印や契印を押し、大きな損害を出してしまう、なんてことにならないよう、割印と契印について正しい知識を持っておきましょう。
そこでここでは、10以上の印鑑専門サイトで毎日情報収集をしている筆者が、割印と契印の役割や用途とその違い、綺麗な押し方までを丁寧に解説していきます。
割印・契印を正しく使い分けることで、自身を持って契約書を作成しましょう。
そもそも「割印」とはどんな印鑑?
割印とは、契約書などの重要な書類を複数枚作成するときに、その書類の内容が同一、または関連性のあるものだと証明する印鑑です。そのため、割印は複数の書類にまたがるように押印します。
多くの場合、原本と写し、正本と副本、領収書とその控えのようなものに使用され、契約を行った両者が保管します。
2枚以上の書類にまたがって捺印されるため、下の画像のようになります。
縦長の印面の割印が多く、基本的には会社名を彫刻します。
このような割印専用の印鑑を利用することが多いですが、実際に使用する印鑑は契約時に使ったはんこと同じである必要はありません。
そのため認印や三文判も割印として使用が可能です。
契約書に割印を押す意味とは
なぜ割印で契約書の同一性や関連性を証明する必要があるのかですが、これは書類の改ざんや複製を防ぐためです。割印は2つの書面にまたがって押されますので、書類を重ね合わせると1つの印影が完成します。
そのため、複製や改ざんなどをすると重ねた際に印影が合わず、すぐにわかるので、不正行為を未然に防ぐ効果があります。
特に会社同士の取引や契約は重要度が高いものが多く、契約書を作成する際には割印の使用を求められることも多いです。
割印を押す必要性
契約は、たとえ口約束だとしても有効になります。
そのため口頭のみでの契約をすると、その後に言った言わないの水掛け論になる可能性が高いです。
よって、それを防ぐために契約書を作成し、契約の内容を記録・保管しておくことが多いですね。
ですが割印を押していなければ、お互いにその契約書を保管していたとしても、どちらかが改ざんを行ったときにその証明することができません。
契約書類の作成時は、割印を正しく押すことで改ざんや複製を未然に防ぎましょう。
契印とはどんな印鑑?割印との違いは何か
ここまでの説明で、割印は文書の改ざんを防ぐために 複数枚の書類にまたがって押す印鑑であることがわかりました。ではここからは割印と同じく、契約書類などを作成する際に頻出する契印について解説していきます。
契印は割印と非常によく似た役割を持っており、その用途や意味も混同されている方が多いですが、どちらの印鑑も役割と用途が異なりますので注意が必要です。
契印は契約書が2枚以上になる場合、それらが関連する1つの契約書であることを証明します。
例えば、「〇〇に関する契約書」が合計3ページのとき、契印が押してあれば、この3枚が1まとめの書類だということがわかります。
さらに契印と割印で大きく異なる部分として、契約書類の内容や順番が正しく繋がっているかまで証明ができます。
契印にはどんな印鑑を使えばいいのか
契印として使用するはんこは、割印と同様に特に規定があるわけではありません。そのためどの印鑑を利用しても良いのですが、実印を契印として使用することはおすすめできません。
というのも、契印はページごとに押印するため枚数が多いほど実印たくさん使用することになります。そのため実印の露出が増加し、その分偽造されるリスクが増加します。
可能であれば、お持ちの 個人用の認印などを契印として使用することをおすすめします。
契印を押す必要性
複数枚の契約書に契印が押されていないと、契約後に書類を追加されたり抜き取られる恐れがあります。契印が押されていないために契約を改変され、大きな損失を被るということもありえますね。契印が押されているかどうかで書類が持つ法的な影響力は変わりませんが、契約をより安全にするためにも、 大切な書類には契印を押すことをおすすめします。
ここまで割印と契印の役割について説明してきましたが、実際に割印を使うとなると「どこに押したらいいのか」「何箇所に押せばいいのか」など、使い方について疑問が出てくるかと思います。
そこで次では割印と契印の正しい押し方について解説していますので、ぜひ参考にしてみてください。
契約書への正しい押し方と押す位置を解説!~失敗のない押印方法~
契約書の作成時に必要になる「割印」「契印」ですが、実はその押し方にはルールがあり、正しく押印できていなければその効果も発揮されません。そこでここでは、意外と知らない「割印の正しい押し方」について解説していますので、早速見ていきましょう。
割印の押し方
割印は、契約書類の正本・副本など、同じ内容の書類を双方が保管する際に、その文書にまたがって押す印鑑。割印を押す位置について明確なルールなどはありませんが、通常は契約書の上端に並べて押印します。
上記のように、文書にまたがって印影が残ることで契約書の同一性が保たれ、契約内容の改ざんや不正行為を防ぐことが可能です。
※上記の使用例では、契約書類が2枚の場合で説明していますが、契約書類が3枚でも押し方は変わりません。3枚を少しづつずらし、3枚にまたがるように割印を押します。
契印の押し方
契印は複数ページの書類の繋がりを証明する印鑑。2ページ以上の契約書などを作成する際に、それぞれのページにまたがるように押印します。
契印は割印と異なり、書類の形式により押し方と位置に決まりがあります。
【使用例①】
画像の①のようにホッチキス止めなどでまとめられている場合は、ページをまたぐように契約者それぞれが捺印します。
そのため契約者が3名、契約書類が3枚という場合は、さらにもう1つ契印が増えることになります。
契印を押す位置はページの境目、上下の中央部分に並べます。
【使用例②】
画像の②は契約書類が製本されている場合です。
企業間の契約では書類を製本(袋とじ)することが多々あります。
書類が袋とじされている場合は、画像のように帯(製本テープ)とまたがるような押し方をします。
契印の位置は画像の通り、中央部分に押印します。
まとめ
割印と契印について役割や押し方まで解説してきましたが、いかがでしょうか。ここまでの説明を下記で一覧表にいたしましたので、ご覧ください!
割印 | 契印 | |
役割 | ・文書の改ざんを防ぐ | ・ページの追加、抜き取りを防ぐ |
押し方 | ・複数の契約書をまたぐように押す ・書類の上端に押すことが多い |
・ページにまたがるように押す ・製本の場合は背表紙と書面をまたぐように押す |
使う印鑑 | ・割印専用のはんこがおすすめ ・三文判の使用も可能 |
・特に規定なし ・認印や三文判の使用がおすすめ |
証明できること | ・互いの契約書類が同一とういうこと ・契約内容に相違がないこと |
・契約書に関連性があること ・書類の追加や抜き取りなどの不正がないこと |
使い方が似ている割印と契印ですが、これだけの違いがあります。
重要な契約で書類の改ざんをされないためにも、割印・契印についての知識を身に着け、適切に使えるようにしておきましょう。
また、割印には専用の印鑑があります。
割印を使用する機会が比較的多い個人事業主の方や、法人の契約担当者の方は、割印用の印鑑があると非常に便利。
割印用の印鑑は縦長ですので、またがって押せる文書の数が増えます。文書が3枚以上になった際にも押しやすく、印面も広いため社名が映えるのでおすすめです。
ハンコヤドットコムでは、割印専用のページが用意されており、サイズや印材も好みのものを選べますよ!
ぜひこの機会にご検討してみてはいかがでしょうか。
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